監督・原案・脚本:フェルザン・オズぺテク
Ferzan Ozpetek
1959年2月3日トルコ、イスタンブール生まれ。姉は女優のゼイネプ・アクス。
77年にイタリアへ移住、ローマのローマ・ラ・サピエンチァ大学に入学。その後、シルヴィオ・ダミーコ国立演劇アカデミーの演出コースで学ぶ。
80年代から助監督として、マッシモ・トロイージ、マウリツィオ・ポンツィ、ランベルト・バーヴァ、リッキー・トニャッツィ、マルコ・リージなどの監督作品に参加する。
97年に監督デビュー作“Hamam”『私の愛したイスタンブール』(TV放送)がカンヌ国際映画祭監督週間正式出品となり、高い評価を得て世界の多くの国々で公開される。2作目は、マリー・ジラン主演のイタリア=フランス=トルコ合作映画
“Harem suare”『ラスト・ハーレム』(99)、オスマン・トルコの最後の日々を描いた。3作目の“Le fate ignoranti”『無邪気な妖精たち』(01/イタリア映画祭上映)はベルリン国際映画祭に正式出品されて、フライアーノ映画祭で監督賞、ニューヨーク・レズ&ゲイ映画祭で最優秀作品賞を受賞。
4作目の“La finestra di fronte”『向かいの窓』(03/DVD)ではカルロヴィ・ヴァリ映画祭でクリスタル・グローブ(グランプリ)、最優秀監督賞、最優秀女優賞の3部門を制覇、イタリアのアカデミー賞に当たるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞では11部門にノミネートされて最優秀作品賞をはじめ4部門で受賞し、国内外で監督としての評価を確立した。
以降もダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞12部門ノミネートされた“Cuore sacro”『聖なる心』(05/イタリア映画祭上映)、“Satumo contro”『対角に土星』(07/イタリア映画祭上映)、ヴェネツィア国際映画祭に正式出品された“Un giorno perfetto”(08)、“Mine Vaganti”『あしたのパスタはアルデンテ』(10)、“Magnifica presenza”『異人たちの棲む館』(12/DVD)等の作品をコンスタントに創り続けている。その作品群は、人間のコミュニケーションやセクシュアリティをモティーフ、テーマとして採り上げ、俳優の演技、物語の面白さ、映画的演出で観客を魅了していく。
次回作は、著作“Rosso Istanbul”(赤いイスタンブール)の映画化。異国で成功した映画監督が故郷に帰るという自伝的物語である。
原案・共同脚本・製作:ジャンニ・ロモリ
Gianni Romoli
1949年7月18日イタリア、ローマ生まれ。フェルザン・オズペテク監督作“Le fate ignoranti”『無邪気な妖精たち』(01/F)、“La finestra di fronte”『向かいの窓』(03/V)、“Cuore sacro”『聖なる心』(05/F)などで、脚本と製作を務める。
製作:ティルデ・コルシ
Tilde Corsi
1948年10月7日イタリア、トスカーナ州生まれ。1992年より、ジャンニ・ロモニと共にR&C Produzioniを立ち上げ、ミケーレ・ソアヴィ監督『デモンズ’95』(94)や、フェルザン・オズペテク監督作“Harem suare”『ラスト・ハーレム』(99)、“Le fate ignoranti”『無邪気な妖精たち』(01/F)、“La finestra di fronte”『向かいの窓』(03/V)、“Cuore sacro”『聖なる心』(05/F)、“Satumo contro”『対角に土星』(07/F)などで、製作を務める。
音楽:パスクワーレ・カタラーノ
Pasquale Catalano
1966年イタリア、カンパニア州ナポリ生まれ。音楽院卒業後、映画音楽の世界に進む。04年パオロ・ソレンティーノ監督作『愛の果てへの旅』(F)でドナテッロ賞と伊記者賞の候補。本作でヨーロッパ映画賞候補、ドナテッロ賞音楽賞&主題歌賞2部門ノミネート。最新作“Barney's - Version”(10)でジェニー賞候補。他に『運命に逆らったシチリアの少女』(08/V)、『重なりあう時』(09/F)など。
編集:パトリツィオ・マローネ
Patrizio Marone
1971年イタリア、ローマ生まれ。フェルザン・オズペテク監督作品は『無邪気な妖精たち』(01/F)、『向かいの窓』(03/V)、『聖なる心』(05/F)、『対角に土星』(07/F)、“Un giorno perfetto”(08)、『あしたのパスタはアルデンテ』(10)を担当。ドナテッロ賞は『向かいの窓』、セルジョ・カステリット監督作『赤いアモーレ』(04)、『聖なる心』、『対角に土星』、『あしたのパスタはアルデンテ』、本作と6度ノミネート、『赤いアモーレ』で伊記者賞獲得。他に『異常者』(98/V)、『あのバスを止めろ』(07/V)、『ハートの問題』(09/F)など。ミュージシャンのPVも多く手掛けている。
衣装:アレッサンドロ・ライ
Alessandro Lai
ジュゼッペ・トルナトーレ監督作『海の上のピアニスト』(98)などでアシスタント、2000年に“Rosa e Cornelia”で衣装デザイナーとなり、伊記者賞候補となる。ティント・ブラス監督作『ティント・ブラス 秘蜜』(02)で伊記者賞受賞。フランコ・ゼフィレッリ監督作『永遠のマリア・カラス』で伊記者賞とスペイン・ゴヤ賞候補となった。『あしたのパスタはアルデンテ』(10)に続き、本作でもドナテッロ賞候補に挙がった。
※作品タイトル後の記号:Vはビデオ/DVD発売、Tはテレビ放映、Fはイタリア映画祭などのフィルムフェスティバル上映、賞は、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞(イタリア・アカデミー賞)をドナテッロ賞、イタリア映画記者連盟シルヴァー・リボン賞を伊記者賞と短縮表記しています。