LINE UP 2001

INTRODUCTION STAFF & CAST REVIEWS & COMMENT
INFORMATION LINK


ビートニク


INTRODUCTION

1944年、3人の青年、ジャック・ケルアック、アレン・ギンズバーグ、ウィリアム・バロウズがニューヨーク市で出会った。事態は一変した。彼らにとっても、そしてこの世紀にとっても――――。

この文章とともに、若き日の彼らが一緒に写った写真が画面に映しだされる。このとき、ケルアックは22歳。
大学をドロップアウトし、潜り込んだ海軍も除隊となり商船の船乗りをしながら作家になる夢を胸に抱いていた。ギンズバーグは18歳。前年にコロンビア大学に入り、すでに自分は文学の天才になると確信していた。少し年長のバロウズは30歳。ほとんど没落していたとはいうものの「バロウズ電算機」の御曹子で恐るべき知性と変わり者の性癖の持ち主だった。そして、この3人の出会いから、すべてのポップ・カルチャーの源である「ビート」が生まれた。

.
映画『ビートニク』は、ギンズバーグ、ケルアック、バロウズの3人を中心に、50年代にはじまるビート・ジェネレーションと今日に至るまでのその大きな影響を膨大な映像クリップとインタビュー、多彩な音楽で甦らせ、さらに未来へとつづくビートのスピリットを綴った感動と驚愕のドキュメンタリー・コラージュである。ビートについて証言するのは、グレゴリー・コーソ、マイケル・マックルーア、ゲイリー・スナイダ−ら同時代のビート詩人、作家ケン・キージー、グレイトフル・デッドのジェリー・ガルシアらである。この他、作家のポール・ボウルズやノーマン・メイラー、映画作家のシャーリー・クラーク、抽象画家のロバート・マザーウェル、ミュージシャンのボブ・ディランらの映像も引用される。
『ビートニク』は映画の完成を見ずに逝ったギンズバーグに捧げられている。

提供 日本コロムビア・ザジフィルムズ/1999年/アメリカ/90分/35ミリ/1‘66ヴィスタ/カラー+白黒/ドルビー/原題:The Source/日本語字幕 柳下毅一郎

.



STAFF & CAST

チャック・ワークマン(製作・監督・脚本・編集)
Chuck Workman

ペンシルヴァニア州フィラデルフィア生まれ。編集マンとしてキャリアをスタートする。77年には『スター・ウォーズ』の予告編に続いて『アメリカン・グラフィティ』再公開版(79)、『未知との遭遇・特別編』(80)の予告編及びメイキングを手がける。87年には映画の名シーンを集めた劇場用短篇「Precious Images」でアカデミー賞短篇映画賞を受賞。88年には全米作家組合製作による短篇「Words」を監督。90年には劇場用ドキュメンタリー『スーパースター/アンディ・ウォーホル』を手がけて注目を集めた。アカデミー賞やエミー賞の受賞式で上映されるその年の傾向をダイジェストにした短篇を手掛けるようになり、91年のアカデミー賞受賞 式の作品では92年エミー賞功労賞を受賞。95年には映画百年記念 で製作されたAFI(全米映画協会)の特別番組「The First 100 Years」を監督し、ケーブルACE賞を受賞。
なお、本作に続いては、フィリップ・ベイカー・ホール(『マグノリア』)、ローラ・サン・ジャコモ共演による劇映画「A House on a Hill」に取り組んでいる。  


.
ヒロ・ヤマガタ(製作総指揮)
Hiro Yamagata

1948年滋賀県米原町に生まれる。パリ留学からヨーロッパでの制作活動を経て、70年代後半よりロスアンジェルスに居住。独特の色彩と構図によるシルクスクリーンの制作で、20世紀の最も成功したアーティストの一人に数えられる。87年にはヤマガタ財団を設立し、エイズ撲滅、難民救済など様々な活動にも取り組んでいる。本作『ビートニク』は、旧知の親友であったアレン・ギンズバーグ、グレゴリー・コーソの依頼により94年より共同で企画に奔走。ヤマガタ個人の出資によって96年から3年間の製作の後、完成した。


■パフォーマンスシーン出演

ジョニー・デップ/ジョン・タトゥーロ
/デニス・ホッパー

■インタビュー、クリップ出演

アレン・ギンズバーグ/ウィリアム・バロウズ/ジャック・ケルアック/ニ−ル・キャサディ/ゲイリー・スナイダー/ケン・キージー ポール・ボウルズ/チャーリー・パーカー マイルス・デイヴィス ジョン・コルトレーン/オーネット・コールマン/ビリー・ホリデイ/レニー・ブルース/ジョン・ケージ/アルフレッド・ヒッチコック/ロバート・ミッチャム/バート・ランカスター/マーロン・ブランド/ジャック・ニコルソン/ボブ・ディラン/ジョーン・バエズ/ジェリー・ガルシア他

■使用される音楽

デイジー・ギレスピー/セロニアス・モンク/スタン・ゲッツ/トム・ウェイツ/ローリング・ストーンズ/ソニック・ユース/ステッペンウルフ ドアーズ/ボブ・ディラン/ビリー・ホリデイ/ナタリー・マーチャント/フィリップ・グラス他




REVIEWS & COMMENT

ビート世代が持つスタイルは、アメリカの新世代のみならず、自分が暮らす日本の新世代にも、無意識下の影響を与えているかもしれない。
佐野元春

これだけの貴重な映像を探し当て、見事にまとめあげたチャック・ワ−クマン監督の手腕にただただ脱帽するばかりだ。

中川五郎

いずれにせよ、何か物事の本質を見ようとするのなら安易な解答などという楽ちんで退屈なソファにもたれかかっていては、多分ダメなのである孤独を恐れず、群れから遠くはなれて一人で立たなくてはならないのであろうアレンもジャックもビルも退屈していたのじゃあるまい―――僕や 君のように 退屈していたのじゃあるまいか

真島昌利(ザ・ハイロウズ)

書店に現在並ぶ魚のウロコほどの大量の書物。
その中でビートと呼ばれた人々の本は意外と少なく、本好きの誰もが知っているタイトルだけ。
僕が読んだ本だって、代表作プラス何冊か。
だって、世界中の詩集が読める今なんだから。それはCD と同じ。
だけどこの映画が僕に迫ってくるのは、彼等の揺らした歴史の中で、現在の人々が生きている事。あとは奇跡的な人同士の出合い。
それらはビートルズと同じ。

青柳拓次(LITTLE CREATURES、BOOKWORM)

コンガが脈を波打つ様に人はみな生まれながらにしてJAZZの即興演奏をしてる ぼくの「ビート」は1/2PUNK、1/2サティ

山崎円城(NOISE ON TRASH、BOOKWORM)

どんなに勉強したってわからないことがある。
(中略)
でもみんなそうやって自分を見つける。

高木 完

この映画の中で本人たちが語る短い言葉は、どんな本で読む解説よりも彼らのことを身近に感じさせるだろう。
マイケル・マクルーアが最後のところで言うように――ぼくたちはみんな彼らなのだ――と思う。

友部正人

危ない人たちの総本山!ヤバい空気感にまず恐れ入る。
言葉が時間と空間をつきさして、一直線にサブカルチャーがルーツを遡っていく。
アナーキーなマナーのルーツにビックリさせられる。あるいはその前のヨーロッパからの流れがどこかに見えてきて、つながっていく。
今頃になって色々はっきり見えてくるからスゴーク面白い。

サエキけんぞう

“ことば”はもどかしい。
例えばパーカーやヘンドリックス達が放ったスピード、トーンを前にすれば、それはひとたまりもない儚(ルビ;はかな)さの気がしてならない。
だが、それでもありえるはずの“ことばの力と意義”をこの主人公達は静かに吠えてみせる。
彼等の人生への共感などとっくにないが、その“魂のBEAT”に心揺さぶられる思いの映画だ。

仲井戸“CHABO”麗市
.



INFORMATION

■関連イベント

『ビートニク』公開記念・リーディング・ライヴ開催!
去る3月23日(金)渋谷クラブ・クアトロにて、リーディング・ライヴが開催されました。

シティライツ書店 in Shibuya
3月16日(金)〜5月6日(日)まで
渋谷タワーレコード 7Fブックショップにおいて
サンフランシスコ・シティライツ書店が
期間限定のれん分けオープンしました!


.



LINK

City Lights BookSellers

MSW MOTOHARU SANO OFFICIAL WEB SITE





SCHIZOPOLIS ローサのぬ くもり ビートニク



Copyright (C) 2003 ZAZIE FILMS Inc. All Rights Reserved.