ある日、ヴァルダ監督はパリの市場で、道路に落ちているものを拾う人たちを見ていて映画の着想を得た。その後、いろいろな市場で人々の拾い集める動作を観察しているうちにミレーの名画『落穂拾い』を連想し、田舎ではまだ落穂拾いをしているのだろうかという疑問にかられた。 こうして、ハンディカメラを手に、フランス各地の“現代の落穂拾い"を探す、彼女の旅は始まる。 フランス各地のさまざまな表情を描いたこの旅は、ヴァルダ監督の自分自身を見つめる旅でもある。 落穂拾いを訪ねながらも、ヴァルダ監督は、ボクシンググローブを首にさげた犬、走るトラックなど、途中気になったものを撮らずにはいられない。自身の手のしわを撮っては70年以上にわたる人生を振り返り、過ぎゆく時に想いをはせる。ミレーやヴァイデンが描いた名画に感動したかと思えば、20世紀の映画芸術の目覚しい発展を振り返りながら、2000年の今を生きるアニエス・ヴァルダを見出す。 ウィットに富んだこの作品には、彼女の人生と社会への姿勢そのものが現れている。 |
落穂拾い LES GLANEURS ET LA GLANEUSE | ||||||||||||||||||||
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・オルセー美術館 ・アラス美術館 ・サノワ美術館 ・ヴィルフランシュ=シュル=サオーヌ美術館 ・ボーヌ・オスピス ・カルティエ基金 ・エルブ美術館 ・E.J.マレー美術館 ・シネマテーク・フランセーズ 「マレー展覧会」2000年 2000年/フランス映画/82分/カラー/ ヴィスタサイズ/DTS-SR 日本語字幕 寺尾 次郎 |