Introduction イントロダクション

父と娘の確執、つかの間の疑似家族、
そして事件は起こった…

南イタリア、ナポリ。リタイアし、かつて家族と暮らしたアパートに独り暮らす元弁護士のロレンツォ。娘のエレナはアラビア語の法廷通訳で生計を立てるシングルマザー。母の死の原因が父の裏切りによるもの、と信じ、父を許せないでいた。
気難しいところのあるロレンツォだが、向いの家に引っ越してきた若い夫婦ファビオとミケーラ、二人の子どもたちと親しくなり、お互いの家を行き来し合う疑似家族のような関係になる。
しかしその平穏な日々は、幸せに見えた一家に起こった思いがけない事件で、突然幕を閉じることになる。その時、ロレンツォは?実の娘エレナは?二人に和解の道はあるのか?

現代を描く“21世紀のネオレアリズモ”
ともいうべき新たな傑作!

障碍を持つ実の息子と15年ぶりに対峙する父親を描く『家の鍵』(04)、アルベール・カミュ未完の自伝的遺作を映画化した『最初の人間』(11)等、人と人との繋がりを、時に冷徹に、時にやさしさを込めて描いてきた、イタリアの名匠ジャンニ・アメリオ監督、待望の最新作は、ミステリアスな事件を背景にした、父と娘の相剋の物語。
分かり合えず、すれ違う家族の心情、他者との繋がりが希薄になった地域社会…。“家族主義の国イタリア”、“人情溢れる下町ナポリ”というイメージを覆す、現代に生きる人々の心の闇を容赦なく描き切り、観る者の心をゆさぶる“21世紀のネオレアリズモ”ともいうべき衝撃作です。

イタリアの映画賞を席捲!
名優たちによる見事なアンサンブル!

主演の名優レナート・カルペンティエーリは、本作でダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞(イタリア・アカデミー賞)、イタリア・ゴールデングローブ賞、ナストロ・ダルジェント賞というイタリアの国内主要映画賞で三冠を達成。ジョヴァンナ・メッゾジョルノ(『愛の勝利を ムッソリーニを愛した女』)、ミカエラ・ラマッツォッティ(『歓びのトスカーナ』)という、現代イタリア映画界を代表する二人の女優も、各映画賞にノミネートされる名演を見せ、国際派女優グレタ・スカッキ(『三人姉妹』)も陰影に富んだ印象深い役どころで久々に登場する。撮影は『グレート・ビューティー/追憶のローマ』の名手ルカ・ビガッツィ。原作はイタリアを代表するベストセラー作家ロレンツォ・マローネの「La tentazione di essere felici」(幸せであることの誘惑)。

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