圧倒的チャーミングなヒロインが
性を通して生と死を知って行く姿をユーモラスに描いた本作。
モンゴル映画への先入観を軽やかに飛び越える新しさ!!
ヒロインが体験する世代間を超えた友情は
人と対峙することの難しさと優しさが詰まっていた。
すべてをじっと見つめる主人公の静かな青春のモヤモヤや思いがけない友情に共感しながら観ていると
街から郊外に行くシーンで突然景色がひらけて、山の多い日本との差にびっくりしました。
広い草原と空は映画全体の爽やかさにつながっている気がします。
ピュアで素朴でキュート!
ユーモア溢れる空気感、世界観、不思議なトーンが何とも言えない逸品!
アダルトショップを舞台に描かれるのは、“性”を題材にした、人の“生”についての真摯な青春奇譚。
犬も人も、みんな魅力的!特に初主演を務めたバヤルツェツェグ・バヤルジャルガルの透明感ある存在は素晴らしい!
Magnolianの音楽も最高過ぎる!
ウランバートルの社会、音楽、風俗、世相をコラージュした”青春のモデルノロジー映画”だ。
彼女は、アダルトショップの店員としては理想的だ。
媚びず、照れず、真面目に、淡々と。
これは彼女の人生や他者への取り組み方とも同じで、
だから彼女はどうやったって幸せになれてしまうのだ。
迷ったら正しい方ではなくおもしろい方に舵を切れ!
この映画を観て、それが自分らしさを手に入れる最速&最高の方法なのだと確信しました
他人の生活や過去を決めつけることも、
自分自身の人生を決めつけて未来を簡単に諦めることも、
同じくらい愚かなことなのかもしれない。
多様な生き方や性のあり方を肯定する人生(性)讃歌。
私たちが成熟するのは、初潮でも、精通でも、より多くの他者の体を触れたからでもない。
セクシュアリティを自覚したとき、あるいはそのままならなさを思い知ったときに、
やっと私という自由を獲得できる。そう本作が語りかけてきました。
音楽依存症でスチューデント・アパシー全開の主人公サロール。
思いがけない相手とのシスターフッド的友情から、みるみる自分自身へと成長していく。
オフビートでありながら真っ当な青春映画。快作!
私だって20代の頃に、「セックス」なんて言葉を真正面でぶつけてくるカティアに出会っていたかった。
サロールとカティアの幸福なシスターフッドに心踊る。
友人でも恋人でも仕事仲間でもないけど、
不思議な縁で結ばれ、人生のある時期を濃密に過ごした存在が、
そういえば自分にもいたことを思い出しました。
もう会うことはないかもしれないけれど、
共有した時間や記憶は私の一部となって生き続けています。
今もどこかであの人が元気に暮らしていますように。
これはアジア的なものを求めすぎる全ての人へのドロップキックだ。
もちろん自分もしっかりくらいました。あとやっぱ音楽って最高!
モンゴルの少女のこの憂鬱とゆらぎ、そして抑圧からの丁寧な開放劇は、
日本の少年少女にもごく近い温度できっと届く。
「性」によって日々が間抜けにひび割れて、ありのままの姿がつるんと見える、
あの拍子抜けするような可笑しさ。私、この映画が大好きです。
アダルトグッズ屋でバイトするヒロイン、バヤルツェツェグ・バヤルジャルガル。
彼女がとにかく素晴らしい。原石、というのはただの美少女じゃなくこういう子のこと。
両親の望む大学に行きながら絵を描くのが好きでアダルドグッズショップで悶々とバイト……って、
いらないと思いますがミスiDモンゴルグランプリ勝手にあげます!
眩いドレスより、人生に負けない知恵を。
選ばれる美しさより、決断する勇気を。
今、おとぎ話があったなら、
おばさんがくれるのはあれやこれやのキラキラしたものではなく、自ら戦い手にする技だと思う。
時にヒリヒリと痛みながらも自分を探せる成長期。
懐かしく、眩しく、ちょっとうらやましくなりました。
「ぼんやりしないで。うつむいて自分の靴を眺めている間に大切な時間は過ぎて行くわ」
極上のドリーム・ポップに彩られた、
「いま」の風を感じる素晴らしい青春映画!
ヒロインを演じるバヤルツェツェグ嬢がひたすらまぶしい。
彼女が自分を知り、花開いていくきっかけとなるのが中年女性との友情だというのが今っぽい。